小児の神経疾患の症状としては、発達の遅れ、けいれん発作、頭痛、運動・歩行の問題、感覚の異常(痛み、むずむずする)などがあります。
それらの症状をきたす疾患には、染色体・遺伝子異常、周産期脳障害、脳炎脳症、てんかんなど様々なものがあります。ここでは頻度の高いてんかんについて、症状、病態、診断、治療などについて簡単に説明いたします。
1)てんかんとは
「てんかん」は、脳の中の電気的な信号が一時的に乱れることで、けいれんや意識の変化などの発作が繰り返し起こる病気です。
発作のあらわれ方はさまざまで、全身がガクガクとけいれんするタイプのほかに、数秒間ぼんやりして動きが止まる、ピクッとするなど様々な形があります。
多くの方は適切な診断と治療により、学校生活や社会生活を安心して送ることができます。

2)こんな症状があるときはご相談ください
以下のような症状が見られる場合には、一度ご相談ください。
- けいれんを起こした
- 呼びかけに反応せず、数秒間ぼんやりすることがある
- 体の一部(顔・手足など)がピクピク動くことがある
- 夜中に突然のけいれんや異常な動きが見られる
- 熱がないのにけいれんを起こした
- 「てんかんではないか」と言われた、またはご家族にてんかんの方がいる
発作は一度だけでも、てんかんかどうかを判断するためには脳波などの検査が役立ちます。気になる症状があるときは、早めの受診をおすすめします。
3)当院での診療体制
当院では脳波検査(EEG)を院内で実施できる体制を整えており、診断や治療の判断に役立てています。発作の種類や頻度に応じて、生活の工夫や薬の調整を丁寧に行い、必要に応じて高次医療機関と連携しながら診療を進めます。
お子さんの発作がてんかんなのか、あるいは他の原因によるものなのか、丁寧に見きわめながらご家族と一緒に治療方針を考えていきます。
そのほかの小児神経疾患
当院ではてんかん以外の小児神経疾患にも幅広く対応いたします。熱性けいれん・頭痛・発達の遅れ・睡眠や行動の問題、重症心身障害などに対して、脳波検査や発達検査を活用し、当院で可能な対応を行うとともに、必要に応じて適切な高次医療機関や療育施設にご紹介いたします。